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「おいしい幸福、ひとくちで。」
チョコパイ
箱を開けると、個包装のフィルムが少し曇っている。チョコレートの甘い匂いが先に来て、それからしっとりしたケーキ生地とマシュマロの柔らかさが指先に伝わってくる——チョコパイのあの感触は、記憶の中でも鮮明だ。遠足のおやつ300円をどう配分するか真剣に悩んで、チョコパイを選んだとき少し大人になった気がした。6個入りの箱を家族で囲んで、最後の一個を誰が食べるかで空気が変わった夜。冬限定の苺味を文具店の小さな棚で見つけた日の、あの小さな興奮。あなたはチョコパイを、どこで、誰と食べていた?
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