Index No.
「いらっしゃいませ、の声が響く。」
スーパーマーケット
自動ドアが開くたびに広がる、野菜と惣菜と洗剤が混じったあの独特の匂い。カゴを腕にかけて、母の後ろをついて歩いた食品売り場。閉店間際に貼られる黄色い半額シール目がけて大人たちが動く光景、試食コーナーのウインナーを二度取りしようとして止められたこと。レジ袋の代わりに紐で縛った段ボール箱が当たり前だったころ、スーパーは単なる買い物の場所ではなく、週に一度の小さな非日常だった。駐車場の端に置かれたガチャガチャに、どうしても10円をねだってしまっていた。
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