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「3分、待つのだぞ。」
カップスター
サッポロ一番のカップスターが台所に並んでいる家が、日本中にあった。蓋を半分開けてお湯を注いだ瞬間の白い湯気、麺が戻るまでの3分間の長いこと。受験の夜中、部活帰りの夕方、冬の体育祭の後——カップスターはいつも腹ペコの横にいた。ちょっと塩気が強めなスープを最後まで飲み干して、空になった容器をそのままにしていると親に怒られた。コンビニも深夜営業も当たり前ではなかった頃、カップラーメンは特別なごちそうの顔をしていた。あの湯気の向こうに、誰かの顔が浮かぶ。
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