Index No.
「「ピコン」が鳴るたびに、知らない誰かに会った。」
すれちがい通信
カバンの中でDSが仕事をしていた。電車を降りて、ふとスリープを解除すると「3人とすれちがいました」という通知——それだけで、今日はツイていると思えた。ドラクエIXの「まさゆきの地図」を求めて秋葉原に集まる人たち、東京駅のコンコースで3DSを掲げたまま歩く人たち。顔も名前も知らない誰かのデータが宿の本棚に積まれていく、あの不思議な親密さ。すれちがい通信は、インターネットではできないことをやっていた。同じ場所に、同じ時間に、偶然居合わせた人とだけつながれる。あの「たまたま」の感触は、今の時代にはもう再現できない。
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