Index No.
「明日の持ち物、忘れずに。」
連絡帳
B5判のそのノートには、先生の文字と母の文字が交互に並んでいた。「給食費を木曜までに」「発熱のため早退させました」——連絡帳は用件を伝えるだけのものなのに、書いた人の息遣いまで封じ込めたような温度があった。先生からの花丸スタンプ、母の書いた几帳面なひらがな、自分でなぞった日付の数字。ランドセルの内ポケットに押し込まれたまま、ぐしゃぐしゃになっていたこともある。スマートフォンのプッシュ通知では絶対に再現できない、あの手書きのやりとりに宿っていたものが何だったか、うまく言葉にできない。
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