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「世界の王、一本足で立つ。」
王貞治
右足を高く上げ、バットを天高く構える——あのシルエットを見ただけで、打席の緊張感が伝わってきた。王貞治の一本足打法は、荒川博コーチとの果てしない素振りから生まれたと言われる。通算868本のホームランは、ひとつひとつが放物線だった。長嶋茂雄との「ON砲」が揃ってベンチから出てくるとき、後楽園球場全体の空気が変わった。1977年の世界新記録756号を打った夜、どこの家のテレビも同じ画面を映していた。フラミンゴのように美しく、そして途方もなく孤独な、あの構えの記憶。
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