Index No.
「にゃーって鳴いてくれるだけでよかった」
猫カフェ
入り口の扉を開けた瞬間、ふわっと漂う独特のあたたかい匂い。靴を脱いで中に入ると、棚の上で丸まっているキジトラ、膝の上に乗ってくる白猫、じゃらしを無視してそっぽを向くサバトラ——思い通りにならないのが、むしろよかった。おかわり自由のドリンクより、猫が自分を選んでくれた15分のほうが価値があって、帰り際にスタンプカードをもらいながら「また来よう」と思った。ひとり暮らしでも、猫アレルギーでも、あの場所だけはちゃんと生き物の体温があった。あなたが通っていたお店の、あの子はまだいるだろうか。
まだ録音はありません。