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「日本列島を改造する。」
日本列島改造論
1972年6月、田中角栄がぶ厚い一冊の本を世に出した。高速道路が山を貫き、新幹線が地方都市を結ぶ——その絵図は、テレビの前の茶の間にも確かな興奮を運んできた。地価が跳ね上がり、インフレが家庭を直撃する一方で、「国土を変える」という言葉の熱量はひとつの時代の体温そのものだった。後に角栄はロッキード事件で失墜するが、あの演説の前のめりな情熱と、「今太閤」と呼ばれた男の風貌は、昭和という時代の輪郭と重なって記憶に焼きついている。あの頃、日本はどこへ向かおうとしていたのか。
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