Index No.
「社員一同、まことに申し訳ございません」
平成不況
1997年11月、山一證券の野澤正平社長がカメラの前で涙をぬぐった。「社員は悪くない」——その声を覚えている人は、あの年末の空気ごと思い出すはずだ。北海道拓殖銀行が消え、長銀が国有化され、「金融ビッグバン」という言葉だけが虚ろに飛び交った。就職活動の会場に人が溢れ、内定を取り消された話が珍しくなくなり、100円ショップのレジに行列ができた。景気は数字の上で回復しているはずなのに、街の空気は薄いままだった。「リストラ」「氷河期」「不良債権」——あの頃の語彙は、生活の手触りと直結していた。あなたの暮らしは、あの時代にどんな色をしていたか。
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