Index No.
「この世界は、美しい。」
大神
筆を一振りすれば、枯れ木に桜が咲く。空に弧を描けば、太陽が地平線から顔を出す。クローバースタジオが2006年に送り出した『大神』は、日本神話をモチーフに、墨絵と水彩が溶け合うような独特のセルシェーディングで世界を描いた。主人公アマテラスは言葉を持たない白いオオカミで、それでもあのもふもふの背中が語るものは確かにあった。筆しらべ「桜花」で花びらを舞わせ、「月読」で時を操る感触は、ゲームパッドを握る手のひらに今でも残っている。商業的な成功とは縁遠かったが、プレイした人間は誰も忘れない。美しさそのものがゲームになれると証明した、あの夕焼け色の画面を。
まだ録音はありません。