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「好きな人の名前、書いた?」
友達ノート
好きな食べ物、嫌いな教科、将来の夢、そして——「好きな人」。ルーズリーフを折りたたんで回ってきたノートに、誰かの丁寧な文字が並んでいた。かわいいシールが貼ってあったり、香水の匂いが微かに残っていたり。自分の番になると急に真剣になって、ペンの色まで選んだ。LINEもSNSもない時代、あの手書きの圧力とぬくもりは独特だった。卒業式の朝、まだ書いてもらっていないページのために走り回る修羅場。あのノートは今どこにあるか——押入れの奥か、捨てたか、まだ覚えているページがひとつくらいある。
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