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「「さわるな危険」なんて、なかった。」
公園の遊具
夏の午後、焼けた鉄のすべり台に素足で触れた瞬間の「あちっ」という感覚を、体が覚えている。グローブジャングルの頂点から地面を見下ろしたときの、あの胃がぐっと上がる感じ。シーソーを思い切り踏み込んで相手を宙に浮かせ、自分がドスンと地面に尻を打ちつける快感。箱型ブランコで限界まで立ち漕ぎして、空が揺れた。今の公園からはほとんど消えてしまったあの遊具たちは、危なかった分だけ、全身で世界を学ぶ道具でもあった。ひざに残った傷跡の数が、あの頃の勲章だったかもしれない。
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