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「我、ひとり野に在り」
ヴァガボンド
井上雄彦の筆が、コマの中に風を描いた。1998年から始まった『ヴァガボンド』は、宮本武蔵の生涯を追うのではなく、その魂が削られていく過程を描く漫画だった。武蔵と佐々木小次郎の宿命的な距離感、沢庵和尚の言葉の重さ、そして農業編の息を呑むような静けさ——ページをめくる手が、途中で止まった経験がある人は多いはずだ。水墨画に近い筆致のモノクロページには、スクリーントーンでは出せない質感があった。休載が続いても、この作品を待ち続けた理由を、言葉にするのは難しい。あなたが一番好きなシーンは、どこだった?
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