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「山下泰裕、金。」
ロス五輪
1984年8月、深夜から早朝にかけてテレビの前で毛布にくるまってロサンゼルスの映像を見ていた。カール・ルイスが100mのゴールを駆け抜ける瞬間の速さは、画面越しでも別次元だった。柔道の山下泰裕は負傷した足を引きずりながら決勝を戦い抜き、表彰台で流した涙に居間の空気が変わった。開会式のロケットマンが青空に浮かんだとき、「未来」という言葉が本当に輝いていた時代の匂いがした。東西冷戦の影を背負いながらも、あの夏のLA五輪はどこか祝祭的で、無邪気で、テレビの光が妙に白かった。
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