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「春泥棒、陽はまた昇るか」
ヨルシカ
深夜のイヤホン越しに、suisの声がすっと体の中に入ってくる。ヨルシカの音楽はいつも、昼間には踏み込めない場所へ連れていく。「春泥棒」のイントロが流れた瞬間の、桜と少し冷たい風の感触。「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」という架空の手紙でつながれたコンセプトアルバムを、何度も読み返すように聴いた。n-bunaが作り出す旋律とsuisの声が重なるところに、名前のつけられない感情が宿っていた。素顔もプロフィールも明かさないという姿勢が、音楽そのものを際立たせていた。あの頃、深夜に一人でヘッドホンをかけてリピートしていた曲が、きっとある。
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