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「もうひとつ、チェルシー♪」
チェルシー
明治のチェルシーは、ただのキャンデーじゃなかった。バタースカッチ、ヨーグルト、コーヒー——薄いセロファンの包みをくるくる解くと、どこかヨーロッパの匂いがした。CMに流れるメロディは軽やかで、洋風の街並みが映し出された画面は、子供の目に「大人のお菓子」として焼き付いた。教室の引き出しにこっそり入れておいて、休み時間に一粒取り出す幸福。友達と一粒ずつ交換するときの、あの小さな儀式。ポケットの中でカサカサと鳴る包み紙の音まで、まだ覚えている。
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