Index No.
「サンバード長崎屋へ行こう」
長崎屋
週末の家族のコースは決まっていた。長崎屋の自動ドアをくぐると、衣料品フロアの独特な匂いと蛍光灯の明かりが出迎えてくれる。母はセール品の棚を丁寧に見て回り、子供たちは屋上遊園地の乗り物に向かって駆け出した。コイン式の乗り物、ガラガラと回るガチャガチャ、地下食品売り場の試食コーナー——全部が一棟に収まっていた豊かさ。「サンバード長崎屋」のロゴが入った袋を提げて帰る道、それが昭和の買い物の形だった。2000年の経営破綻後、あのロゴが消えた商店街は、なんとなく違う空気になった気がした。
まだ録音はありません。