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「牛めしの松屋」
松屋
深夜、黄色い看板が見えると少しだけ安心した。券売機のボタンを迷わず押して、カウンターに着くころには湯気の立つ牛めしが来る——松屋の時間は、いつもそういうリズムだった。「牛丼」でなく「牛めし」と呼ぶこだわり、頼んでいないのに付いてくる味噌汁の太っ腹、カレーも定食も並べてくる守備範囲の広さ。カレギュウにしようか定食にしようか、深夜に本気で悩む時間がなんとなく好きだった。あの黄色い光の下で食べたものは、味というより、その夜の感触ごと記憶に残っている。
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