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「バサロ、バサロ、バサロ!」
ソウル五輪
1988年9月、ソウルの夜、鈴木大地が水中から浮かび上がった瞬間、日本中の居間でどよめきが起きた。バサロ泳法と呼ばれたあの潜水スタートが、100mの背泳ぎで金メダルをたぐり寄せた。冷戦末期、東西両陣営がそろった「完全なオリンピック」として語り継がれる大会でもあった。カール・ルイスとベン・ジョンソンの100m決勝、後にドーピングで塗り替えられた金メダルの混乱まで、あの16日間は事件の連続だった。夜更かしして中継を見た、父が珍しくビールを二本空けた、そんな各家庭のソウルの夜が、どこかに静かに残っている。
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