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「VANの紙袋を持て、銀座を歩け。」
みゆき族
1964年の銀座みゆき通り、アイビーリーグへの憧れをそのまま着こなした若者たちが群れを成していた。ボタンダウンシャツ、チノパン、ローファー——VANジャケットの紙袋を小脇に抱えることがひとつのステイタスだった。石津謙介がアメリカから持ち帰ったアイビールックは、彼らの制服になり、銀座の路上はランウェイに変わった。週刊誌は「みゆき族」と名付けて騒ぎ立て、警察は歩道を整理したが、その熱は止まらなかった。日本のストリートファッションの起点がここにあると言われる所以は、誰かの指示ではなく若者自身が場所と服を選んだことにある。あの通りで、何を見ていたのだろう。
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