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「あの子の赤いのが、ほしかった。」
おはじき
光にかざすと、小さなガラスの中に色が溶けている。赤、青、緑、乳白色——指先でつまんでも、ひんやりした重みがあった。畳の目に沿って弾いて、相手の玉に当てる。うまくいったときの「カチッ」という乾いた音と、玉が転がる感触。お母さんや姉に教わってはじめてのルールを覚えた午後、日が傾いても「もう一回だけ」と続けた縁側。コレクションみたいに並べて眺めるのも好きだったし、一番のお気に入りを勝負に出すかどうか、ずいぶん迷った記憶がある。
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