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「肉まんください、あ、ピザまんで」
肉まん戦争
コンビニのガラスケースが白い湯気を立てはじめると、冬が来たと実感した。セブン-イレブンの肉まんか、ファミマの551蓬莱監修か、ローソンの新作か——選ぶだけで妙に時間がかかって、後ろの列が気になった。カレーまん、あんまん、ピザまんと並んだ棚を前に「肉まん一個」と言いかけて、気が変わって言い直したことが何度あっただろう。コンビニを出て、紙袋越しに手のひらに伝わるじんわりとした熱。ふかふかの皮を指でつまんだ瞬間に立ち上がる湯気と、あの甘じょっぱい匂い。友だちと半分こしながら、どのコンビニが一番うまいか真剣に議論した、冬の放課後の空気がある。
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