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「もう逢えない とわかっていても」
安全地帯
「ワインレッドの心」のイントロが流れた瞬間、部屋の空気が変わった。玉置浩二の声は、説明のつかない場所から届いてくる。北海道旭川から出てきた5人組が、80年代の日本人の恋愛の語彙をまるごと書き換えてしまった。「恋の予感」で胸を押さえ、「悲しみにさよなら」でようやく前を向く。井上陽水との「夏の終りのハーモニー」は、二つの声が重なるだけで夕暮れの色になった。あの時代のラジオから、カーステレオから、どこからでも流れてきたあの声。聴けば今でも、忘れたはずの誰かの顔が浮かぶかもしれない。
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