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「いいものをより安く」
ダイエー
赤い「D」のマークを見上げながら、自動ドアをくぐった記憶がある。鮮魚売り場の氷の匂い、蛍光灯に照らされた総菜コーナー、そして屋上の遊園地——コインを入れると揺れる乗り物に順番待ちした午後。中内功が「主婦の店」から始めた流通革命は、やがてダイエーホークスを生み、プランタン銀座を傘下に収め、日本中の街角に巨大な城を建てた。日曜日の家族連れで溢れる駐車場、特売チラシを握りしめた母親の横顔。2004年に産業再生機構へ。街からあの看板が消えていった日、何かひとつの時代も一緒に片付けられた気がした。
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