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「好きだ、みゆき。」
みゆき
あだち充の描く恋は、セリフが少ないほど胸に刺さった。妹の若松みゆきと、同級生の鹿島みゆき──同じ名前の二人に挟まれた若松鹿也の、言えない気持ちと余白だらけのコマ。夕暮れの土手、サイダーの瓶、体育祭の帰り道。ページをめくるたびに「なんで喋らないんだ」と歯がゆくて、でもその沈黙が恋そのものだとわかっていた。タッチの達也と浅倉南と同じ空気を吸って育った世代にとって、あだち充は恋の教科書だった。あのセリフの少ない白いコマに、自分の感情を重ねた記憶はないだろうか。
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