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「ぼんち揚、ぼんち揚、ぼんち揚げ♪」
ぼんち揚
袋を開けた瞬間の、あの甘辛い醤油の香り。一枚つまんだら最後、手が勝手に次を求めていく。ぼんち株式会社が関西で長年愛してきたこの揚げせんべいは、歌舞伎揚と東西の棚を静かに分け合いながら、それぞれの地域の「おやつの定番」として根を張ってきた。テレビの前に袋ごと持ち込んで、気づいたら底をさらっていた夜。お茶をすすりながらバリバリと音を立てるのが気持ちよくて、会話の間も手だけ動いていた。関西の子どもにとっては実家の棚に必ずあったもの、関東の人には旅先や土産で出会ったもの——そのどちらにも、ちゃんと記憶の場所がある。
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