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「どんぐりころころ、どんぶりこ」
どんぐりコマ
落ち葉をかき分けながら、丸くてつるつるのを探す。マテバシイ、コナラ、クヌギ——種類によって形が違うことを、図鑑ではなく手のひらで知っていた。選りすぐりの一粒に爪楊枝を突き刺して、指でそっと弾く。うまくいくと独楽はくるくると静かに回り、失敗するとすぐに横倒しになった。土の上、コンクリートの上、どちらが長く回るかを試した。誰かが「これ最強」と言って持ってきた大玉と勝負した記憶も。秋の公園に広がっていたのは、買ったものでは絶対に出せない、拾い物だけの豊かさだった。あの頃の秋の匂いを、どんぐりの手触りが今も運んでくる。
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