Index No.
「もういいかい」「まーだだよ」
かくれんぼ
目を覆って、百まで数える。その声が遠くなるにつれて、足音が散らばっていく。押し入れの奥、縁側の下、ご近所の植え込み——どこまで遠くへ行けるかが腕の見せどころだった。鬼になるのは怖くもあり、全部見つけ出した時の達成感は格別だった。最後の一人が見つかった瞬間の静寂、見つかった側の「あー」という脱力。それだけで夕方まで時間が溶けた。「もういいかい」「まーだだよ」——このやりとりだけで、あの空気がよみがえる人もいるはず。ルールは単純で、道具は何もいらない。それなのにあんなに本気だったのは、なぜだったのだろう。
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